Hotel Ruwanda

2005年6月1日
そういえば言い忘れてたけど、昨日の夜「ホテルルワンダ」を見た。これはアカデミーにもノミネートされてた映画だ。主演ではたしかサタデーナイトライブでコメディアンをやってたと思う。アカデミーの際にへーシリアス!っておもって印象があった。

この映画は90年半ばに起こったフツ族によるツチ族の虐殺を描いている。フツ族でベルギー資本のホテルのマネージャーのポールは、西洋の白人社会の贅沢さになれ、その中の一員として働いていることに何の疑問も感じず、ツチ族出身の妻とその間に出来た子ども達と幸福な毎日を送っていた。それがある日を境にすべてが崩壊していく。

ものすごくリアルで、本当に怖かった。いつどこで殺されてもおかしくない。国際社会における白人と黒人の差別、黒人同士の差別、国連やヨーロッパ社会が虐殺が行われていることを知りながらそっぽを向いていた現実。実際ベルギーのホテル王をはじめとするヨーロッパの上層部の圧力で動いていった国連。
「君たちはニガーですらない。君達はアフリカ人なんだ。人間じゃないんだ。国連は動かない。国連は白人だけを助けに来たんだ。」とはき捨てるように言ったPLOのオフィサーの言葉のすごさを感じた。

アフリカは強い差別社会だと思う。金、物質、性差、階級、生まれ、部族、そういうものがものすごく強い力を持っている。さらに、白人=金持ち、上、黒人=貧しい、下、という意識が歴史を通じて非常に浸透している。

だから何かのきっかけでバランスが崩れると、その被害の広がりようはすごい。エイズの蔓延も社会の仕組みが支えているようなものだと思う。エイズの教育をしようにも、セックスに関する話しが女性の間であまりにもタブーなので、誰もコンドームのことなど触れたがらないし、話したがらない。

レイプの現実があっても、女性の側に恥の意識がものすごく強いために表面に上がってこない。エイズにかかった夫が妻に移し、妻が病床に臥せってしまったため、子どもに手を出してなんとも思わない父親がいる、という話をドキュメンタリーでみたことがある。女の役割=性欲の受け手、食事の世話、子育て、という意識が強いため、その役目を終えられない女性は捨てられて当然だという意識が社会のなかでとてもつよい。

アフリカには行きたくないな、と思う。

この映画を見た後に悪夢にうなわれた。
鹿にストーカーされる夢。しかも私は鹿をほかの人との集まりに呼んでしまい、無知な鹿はそこでの会話についていけず、私に逆切れをして恨みを抱く、という筋書きだった。そういうこと、欲あったから私は罪悪感と恐怖感をいまだに持っているのだろうか・・・。

日本で公開されたらぜひ、見てください。

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